本田 俊一 先生
医療法人ほんだ歯科 / 大阪府 全国から口臭に悩む患者が来院する「医療法人ほんだ歯科」院長。20年以上前から、口臭の研究と臨床を開始。8,000人の口臭を治療し、結果をだし続ける。17年間、毎日のように口臭治療を学びたいドクターが、ほんだ歯科へ見学に訪れる。

Q.患者様との忘れられないエピソードを教えてください。

本田歯科には、本当に北海道から沖縄までは当たり前で、海外からも患者が来られるんです。忘れ得ぬ患者というのは、二十数年前に出会った、私の初めて口臭に悩んでいる人に出くわした人です。その人は、本田歯科の、予防管理をしていた、50歳代の男性でした。その方は、口の中は完璧なんです。それから、熱心に歯周病予防に来ている人が、実は口臭が気になる。「ええ？」みたいなことで、「いや、ないよ」と言ったんだけれども、会社で起こるんだ。そんなばかなことがあるのかな。でも、信頼している人ですから、すごく悩んでいて。そして、何とかしてあげようと思ったのがきっかけなんですね。何とかして、そんなはずがない。でも、その人は間違いないというところからスタートした。だから、その人と出くわさなかったら、今日はないわけで、その人が1人。
　そして、70過ぎぐらいの女性でした。50年悩んだというわけですね。口臭で悩むっていうことは、50年も悩むのかって思ったことと、その人は1回も旅行に行っていない。電車にも乗らないんです。結婚もできなかったんです。人生、口臭のために、ほとんど引きこもった生活。ただ、治療が終わった後、すごく生き生きされて、電車に乗って旅行に行けるようになりました。「50年前に先生に出会ったら、私の人生はもっと違うものになっていた」と言われたときは感動しましたけれども、50年前は私もまだそんなことをやっていないので。思い出深い人の1人です。